抗体データベース

EGFR (L858R mutant specific)

Rabbit monoclonal antibody
クローン:43B2
メーカー:Cell Signaling (#3197)
希釈倍率:1:100
抗原賦活化:ER2、20分

推奨陽性コントロール:EGFR gene exon21 L858R point mutationのある肺腺癌
染色パターン:細胞膜

(上記は神戸大病理部での条件(Leica BOND-MAXTM)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)

用途: EGFR gene exon21 L858R point mutationのある肺腺癌の検出。

多くの場合、臨床側が気管支鏡検査等を実施した時に、同時にEGFR遺伝子変異の有無を調べる検査(PNA LNA PCR-Clamp 法、PCR-Invader 法、Scorpion ARMS 法など)を外注していると思われるが、結果が「検出せず」の場合、真にWild typeとは限らず、検体不適(癌細胞が含まれていない、など)もありうる。もし、パラフィンブロックやセルブロックでは十分な癌細胞が含まれているのであれば、EGFR (E746-750del specific) と共に免疫染色を実施すれば、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(ゲフィチニブ、エルロチニブ)の奏功が期待される、これらのEGFR遺伝子変異を検出できるかもしれない。何らかの理由でEGFR遺伝子変異の有無を調べる検査をなされていない、過去の生検・手術材料のパラフィンブロックが他院から入手できた、全身状態などから気管支鏡検査の再検が困難である、といった場合にもこの染色は有用かもしれない。

 PCR-RFLPアッセイPCR-RFLPとSequenomアッセイ
変異陽性変異陰性変異陽性変異陰性
免疫染色陽性1752220222
免疫染色陰性11711721171172
1818619421173194

感度95.2% (20/21)、特異度98.8% (171/173)

出典:Brevet M, et al. Assessment of EGFR mutation status in lung adenocarcinoma by immunohistochemistry using antibodies specific to the two major forms of

mutant EGFR. J Mol Diagn 2010, 12:169–176.

免疫染色DNAシークエンス
L858R野生型Failed
L858R(+)2422
L858R(-)219325

出典:Yu J, et al. Mutation-specific antibodies for the detection of EGFR mutations in non -small-cell lung cancer. Clin Cancer Res 2009;15:3023-3028.

執筆日:2013/01/21

執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕(現:関西医科大学総合医療センター)