GCDFP-15
(Gross cystic disease fluid protein-15, BRST-2)
抗体:Leica, 抗体:Leica, NCL-L-GCDFP15,GCDFP-15,23A3
推奨陽性コントロール:乳腺アポクリン化生上皮または皮膚アポクリン汗腺
染色パターン:細胞質
BRST-2 とも呼ばれる。
・本抗原は分子量15.000の糖タンパクである。乳癌(乳管上皮)の特異的マーカーとして開発されたが、アポクリン上皮のマーカーとしても有名である。
・乳腺のアポクリン化生上皮、皮膚のアポクリン汗腺上皮、およびこれらに由来する病変で陽性となる。
・HE染色上アポクリン化生を伴わない通常の乳管上皮や乳管癌の一部でも陽性を示す。浸潤性乳管癌における陽性症例率は1/3-1/2といわれる。
・そのほか乳房外パジェット病、エクリン汗腺、気管支腺、唾液腺漿液性腺房細胞などが陽性像を示す。
・原発不明癌の鑑別を行う際、ホルモン受容体(ER,PR)とともに乳癌由来であることの傍証のひとつとなりうる。
写真:浸潤性乳管癌(通常型)における陽性所見。
執筆日:2006/2/28
執筆者:東北大学病院病理部 森谷卓也