抗体データベース

hCG

推奨陽性コントロール: 胎盤
染色パターン:
細胞膜

heterodimericであり、, α subunitとβ subunitからなる。
α subunitはLH, FSH, thyroid-stimulating hormoneと同一であり、β subunitはhCGにユニークであるので、
通常、β subunitを抗原にしたものが用いられる。

正常ではsyncytiotrophoblastに陽性。cytotrophoblastは陰性。
trophoblastを由来とする腫瘍に陽性となる:
例)
絨毛癌choriocarcinoma
胎児性癌embryonal carcinoma
一部の胚細胞腫germinoma

出血が強い腫瘍などでは絨毛癌、当抗体を用いた免疫染色を行うと良いであろう。絨毛癌は生殖器以外でも発生する(肺、消化管など)。

また、尿路上皮癌urothelial carcinomaの一部にtrophoblastic differentiationがみられることがあり、urothelial carcinoma with trophoblastic differentiationとしてvariantに含まれている(WHO)。また、希にchoriocarcinomaへの分化もレポートされている。

hCG免疫組織学。一見過染色であるが、拡散効果diffusion effectによるものである。低分子量の抗原でよくみられる現象である。

執筆日:2005/1/26
執筆者:神戸大学病院病理部 伊藤 智雄