HepPar-1
(hepatocyte)
クローン:OCH1E5
メーカー:DAKO
希釈倍率:x50
肝細胞のミトコンドリアに特異的に存在するCarbamoyl phosphate synthetase 1, CPS1を認識。
細胞質に粗大な顆粒状の陽性を示す。HCCであることの確認などに用いられる。特異度には注意を要し、胃癌、大腸がんなど多彩な腫瘍で陽性となることに留意すべきである。腫瘍の染色性に関してはFanらによる676例のtissue microarrayを用いた報告があり、腺癌を中心として多数の腫瘍において陽性例が確認されている(Hep par 1 antibody stain for the differential diagnosis of hepatocellular carcinoma: 676 tumors tested using tissue microarrays and conventional tissue sections.Fan Z, van de Rijn M, Montgomery K, Rouse RV. Mod Pathol. 2003 Feb;16(2):137-44)。
現在、肝細胞マーカーとしてはArginase 1がよい。
消化管において、腸上皮化生部分に陽性となり、sensitiveなマーカーとして利用できる(Hepatocyte antigen as a marker of intestinal metaplasia.Chu PG, Jiang Z, Weiss LM. Am J Surg Pathol. 2003 Jul;27(7):952-9)
※ビオチン系の発色を行っている場合は内因性ビオチンに注意。
執筆日:2009.2.13→2024/11/26更新
執筆者:神戸大学病院病理部 伊藤 智雄