κ(kappa) and λ(lambda)
(Immunoglogulin light chains)
二重染色についてはこちら
クローンおよび希釈倍率: κ: A8B5,x50. λ: N10/2 monoclonal x400 (Novocastra)
抗原賦活化法:Protease(圧力鍋不可)。
(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
推奨陽性コントロール:リンパ節や扁桃など。
染色パターン:細胞膜、細胞質。時にparaneclear Golgiにaccumulationを示す(重要)。
染色性および用途
リンパ球、形質細胞によるlight chain、κ鎖、λ鎖の分泌がどちらかにのみ偏ればclonalと考えられ、悪性リンパ腫や形質細胞腫・骨髄腫の診断に役立つ。 判断基準はいくつか示されているが、正常ではκ,λの陽性細胞の比はκ:λ=約2:1~3:1で、10:1ないしは1:10(1:5とするものもある)となれば明らかなlight chain restrictionとし、monoclonalなB細胞の増生と判断できる。
必ず陽性コントロールをたてて染色し、正常な染色が行われていることを確認しなければならない。反応性の形質細胞の強陽性がpolyclonalで、大型の腫瘍細胞における薄い陽性像のみが偏りを示すこともあるので良く注意しなければならない。
血清中のκ、λの存在により、背景が陽性を示すことは正常な感度の免疫染色で有れば止むを得ない。これを消そうとすれば感度不足に陥る。なるべく背景が綺麗な所を探して評価する。
パラフィンでの免疫染色ではlight chain restrictionの検出率は低いので、negative dataからmalignant lymphomaを決して否定してはならない。
注意) 評価が難しい。特に大型細胞の薄い細胞膜の陽性像やGolgi stainingを見逃さないこと。 前述の如くfalse negativeが多いのでlymphomaの否定材料にはならない。 逆に、Plasma cell typeのCastleman diseaseではclonalとなることがあり、注意を要する(Adv Clin Path. 1999 Jan-Apr;3(1-2):11-22)。
執筆日:2005/07/1
執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄 tomitoh@med.kobe-u.ac.jp