免疫組織データベース~いむーの



免疫染色の原理

2005年10月14日

免疫組織化学染色法は下記の3つに大別されます。

① 蛍光抗体法

② 酵素抗体法

③ 金属標識抗体法

パラフィン切片を対象する場合は②の酵素抗体法が用いられ「間接法」が主流になります。


【代表的な間接法の原理】

●  ABC(avidin-biotinylated peroxidase complex)

一次抗体を反応した後にビオチン標識二次抗体を作用させ、引き続き標識酵素を反応させる3ステップ法。 直接法に比べて感度が高いが、LSABやポリマー法には敵わない。

注意) 熱による抗原賦活化処理で内因性ビオチンの非特異的反応が起こる

 


 LSAB(labeled streptavidin biotinyated antibody)

基本的にはABC法と同様であるが、ビオチンと酵素標識ストレプトアビジンの両者はきわめて親和性が高く非可逆的な結合性を示し、更なる高感度が得られる。キット商品も多数市販されている。

注意)ABC法同様、熱による抗原賦活化処理で内因性ビオチンの非特異的反応が起こる

 

 

 


● 標識酵素ポリマー法

従来の間接法と比較して著しく高感度で汎用性が高い。2ステップ法なので短時間に反応が終了できる。 アビジンビオチン反応とは無関係なので内因性ビオチンによる非特異的反応がない。

 polymer DAB発色

高分子ポリマー結合2次抗体

1次抗体

抗原

2005年度に行われた全国のアンケート調査(日本臨床衛生検査技師会)では、検出系の問いに対しABC法7%、LSAB法29%、ポリマー法51%、その他13%の割合で使用され、ポリマー法が約半数を占めているのが現状です。

更なる高感度や迅速性を求める場合は1ステップ法のEPOS、5ステップ法のCSA(いずれもDAKO社製)が存在します。

 

 

執筆日:2005/06/29 10/14小修正(EPOSの項)

執筆者:北海道大学病院病理部 森谷 純 j-moriya@med.hokudai.ac.jp

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