PHH3
(Phosphohistone-H3)
クローン: rabbit polyclonal IgG
メーカー: Upstate Biotechnology
抗原賦活化法：圧力鍋
希釈倍率：x1000
(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
推奨陽性コントロール：リンパ節など
染色パターン: 有糸分裂そのものに陽性
染色性および用途
Histone H3(HH3)はcore histone proteinであり、そのリン酸化はinterphaseにはほとんどなく、核分裂の際には最も最大となる。 この抗体は、このリン酸化HH3を特異的に認識する(Hendzel MJ, et.al Mitosis-specific phosphorylation of histone H3 initiates primarily within pericentromeric heterochromatin during G2 and spreads in an ordered fashion coincident with mitotic chromosome condensation. Chromosoma. 1997 Nov;106(6):348-60).
有糸分裂にほぼ一致して陽性像が認められる。HEでは難しいことの多いkaryorrhexis, apoptosisや炎症細胞浸潤との区別には特に役立つ。 H&Eにおけるmitotic rateとの解離が予想され、これまでの伝統的な判定方法に基づいた良悪性の判定基準にそのままあてはめるわけにはいかないだろうが、今後の検討が期待される。
meningiomaのgradingに有用との報告もでている。(Ribalta T, et.al. The mitosis-specific antibody anti-phosphohistone-H3 (PHH3) facilitates rapid reliable grading of meningiomas according to WHO 2000 criteria. Am J Surg Pathol. 2004 Nov;28(11):1532-6). なお、この報告では古いブロックでは反応が減弱するとされ、注意が必要。
子宮adenosarcoma。間質の核分裂に一致して陽性
執筆日：2005/10/14
執筆者：神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄 tomitoh@med.kobe-u.ac.jp
