シリウスレッドを用いたEVG染色
2009年1月19日
エラスチカワンギーソン染色(以下、EVG)は、線維化の程度や弾性線維を見るのに、簡便で一般的な染色である。
現在、膠原線維を染めるワンギーソン液に【酸フクシン・ピクリン酸】が用いられることが多い。
酸フクシンはピクリン酸より分子量が大きい為、密度の低い膠原線維を赤く染め、膠原線維より密度の高い筋や赤血球、細胞質は黄色に染まる。
しかし酸フクシン・ピクリン酸液は、反復使用によって濃度が変わってくるので、色素濃度の吊り合いや染色時間、染色操作の差によって、ムラや被り(共染)などが起こり、きれいなコントラストを作るには注意が必要であった。
今回、酸フクシンの代わりに【シリウスレッド】を使用することにより、共染を防ぎコントラストも良好になったので、これを推奨する。シリウスレッドは酸フクシンに比して細い線維まで良く染まり、分子量が大きいので黄色と赤のコントラストも良い。
染色方法 |
1)脱パラ・水洗 |
2)レゾルシンフクシン液 1~2h |
3)純エタノール |
4)水洗 |
5)鉄ヘマトキシリン 10min |
6)水洗・分別・色だし |
7)ワンギーソン液 15min |
8)アルコールで分別 |
9)脱水・透徹・封入 |
*ワンギーソン液
飽和ピクリン酸液:100ml
1%シリウスレッド液:5ml
上記を良く混和して使用液とする。
執筆日:2009.01.19
執筆者:神戸大学病院病理部 山田 寛