抗酸菌染色:オーラミン・ローダミン法
抗酸菌を染める染色として【オーラミン・ローダミン法】がある。
これは抗酸菌が蛍光色素に親和性があることを利用した方法で、チールネルゼン法やファイト法などで染まり難い菌も染め出される。弱拡大で広範囲の検索が容易であり、他の抗酸菌染色と比較して検出率の高い優れた方法である。
抗酸菌以外にも細胞残滓や組織間隙にも染まる事があるので、必要に応じて強拡大で桿菌であることを確認する必要がある。
<対物レンズx20倍での像>
オレンジに染まっているのが抗酸菌である。オーラミン・ローダミン法の方が断然見やすく、多く染まっている。
Fite法 x20
オーラミン・ローダミン法x20
<オーラミン単染色とオーラミン・ローダミン染色との違い>
オーラミン単染色でも同様の効果が得られる。しかし好みもあるが、オーラミン・ローダミン重染色のほうが蛍光が橙色鮮明で見易いと思われる。
オーラミン単染色法(x20)
オーラミン・ローダミン重染色(x20)
染色方法
1)脱パラ・キシレン
2)流水水洗
3)0.1%ローダミンB液 1分
4)余分な色素を流して、水洗せずに0.1%石炭酸オーラミン液 15分
5)水洗
6)1%塩酸アルコールで分別
7)水洗
8)レフレルのメチレンブルー(軽く青)
9)水洗
10)乾燥・流動パラフィンで封入
* 0.1%ローダミンB液
ローダミンB 0.1g
蒸留水 100ml
* 0.1%石炭酸オーラミン液
オーラミンO 0.1g
蒸留水 95ml
石炭酸 5ml
*レフレルのメチレンブルー
①メチレンブルー原液
メチレンブルー 1.4g
蒸留水 100ml
②使用液
メチレンブルー原液(①)30ml
1%KOH水溶液 1ml
蒸留水 100ml
執筆日:2009/01/28
執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 伊藤智雄