免疫組織データベース~いむーの



抗酸菌染色:オーラミン・ローダミン法

2009年1月28日

抗酸菌を染める染色として【オーラミン・ローダミン法】がある。

これは抗酸菌が蛍光色素に親和性があることを利用した方法で、チールネルゼン法やファイト法などで染まり難い菌も染め出される。弱拡大で広範囲の検索が容易であり、他の抗酸菌染色と比較して検出率の高い優れた方法である。

抗酸菌以外にも細胞残滓や組織間隙にも染まる事があるので、必要に応じて強拡大で桿菌であることを確認する必要がある。

<対物レンズx20倍での像>

オレンジに染まっているのが抗酸菌である。オーラミン・ローダミン法の方が断然見やすく、多く染まっている。

image

Fite法 x20

image1

オーラミン・ローダミン法x20

<オーラミン単染色とオーラミン・ローダミン染色との違い>

オーラミン単染色でも同様の効果が得られる。しかし好みもあるが、オーラミン・ローダミン重染色のほうが蛍光が橙色鮮明で見易いと思われる。

image2

オーラミン単染色法(x20)

image3

オーラミン・ローダミン重染色(x20)

 

染色方法

1)脱パラ・キシレン

2)流水水洗

3)0.1%ローダミンB液 1分

4)余分な色素を流して、水洗せずに0.1%石炭酸オーラミン液 15分

5)水洗

6)1%塩酸アルコールで分別

7)水洗

8)レフレルのメチレンブルー(軽く青)

9)水洗

10)乾燥・流動パラフィンで封入

* 0.1%ローダミンB液

ローダミンB  0.1g

蒸留水     100ml

* 0.1%石炭酸オーラミン液

オーラミンO  0.1g

蒸留水     95ml

石炭酸     5ml

*レフレルのメチレンブルー

①メチレンブルー原液

メチレンブルー 1.4g

蒸留水      100ml

②使用液

メチレンブルー原液(①)30ml

1%KOH水溶液      1ml

蒸留水         100ml

 

 

執筆日:2009/01/28

執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 伊藤智雄

ページの先頭へ