Cryofilmを用いた 術中迅速組織標本作製法
2012年9月7日
乳癌手術においてセンチネルリンパ節への転移の有無は術式の決定に非常に重要である.
通常,センチネルリンパ節への転移の有無の評価には主に術中迅速組織診断が用いられるが,センチネルリンパ節は脂肪組織の混在により,良好な凍結標本作製が困難な場合が多い.
当施設では従来法と併用してCryofilmを用いた標本作製を行なっているのでこれを紹介する.
Cryofilm TypeⅡC(9) 幅2.5cm,3.5cm:Leica,section-Lab製
①クライオフィルムを 適当な大きさに切る
②面出し後薄切面にクライオフィルムを貼る
③薄切
④ キングサイズカセットの蓋にクリップで固定
⑤固定・染色
⑥両端を切り落とし,封入
注意:染色後,脱水・透徹を行うとリンパ節の実質部分に亀裂が入る.
アルコール脱水後にキシレンを通さず封入できる封入剤も販売されており,これにより亀裂の発生を防ぐことができる
参考文献:佐渡正敏,秋山直子,他:Cryofilmを用いた術中迅速組織標本作製. 病理と臨床 28(2):207~211,2010
執筆日:2012.09.07
執筆者:神戸大学医学部附属病院病理部 森藤哲史、塚本龍子