Cystatin A
(Stefin A)
Mouse monoclonal antibody
メーカー:Novus
クローン:WR-23/2/3/3 (Cat. No. NB-120-7292)
希釈倍率:1:500
抗原賦活化:PK , 8分
推奨陽性コントロール:扁平上皮
染色パターン:細胞質
(上記は神戸大病理部での条件(Ventana Benchmark XT)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)
電顕下で角質細胞の辺縁に高電子構造として捉えられる周辺帯は、角質細胞の細胞膜を裏打ちする不溶性構造物で、その構成要素の一つがCystatin Aである。喉頭癌、鼻咽頭癌、乳癌、食道癌、前立腺癌、結腸癌等において予後因子として知られている。下は皮膚。
用途:肺において扁平上皮癌マーカーとして利用できる。
1. Hawthorn L, Stein L, et al. Characterization of cell-type specific profiles in tissues and isolated cells from squamous cell carcinomas of the lung. Lung Cancer 2006; 53: 129-42.
2. Angulo B, Suarez-Gauthier A, et al. Expression signatures in lung cancer reveal a profile for EGFR-mutant tumours and identify selective PIK3CA overexpression by gene amplification. J Pathol 2008; 214: 347-56.
非小細胞肺癌152例を用いた我々の検討では、
陽性 |
陰性 |
計 |
|
扁平上皮癌 |
39 |
3 |
42 |
非扁平上皮癌 |
17 |
93 |
110 |
計 |
56 |
96 |
152 |
(P<0.01)
肺扁平上皮癌に対し、単純には、感度93%、特異度85%、陽性適中度70%、陰性適中度97%。 強から弱陽性像をもって陽性と扱うと(ROC解析でAUC0.90)、感度88%、特異度92%、陽性適中度80%、陰性適中度95%。 小検体における非小細胞肺癌において、扁平上皮癌マーカーとして利用するのに、CK5/6やp40、Desmoglein-3に準ずる有用なマーカーである。
(自験例。左は肺扁平上皮癌、右は肺腺癌。)
執筆日:2012/11/19
執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕