免疫組織データベース~いむーの



E48

2012年11月20日

別名 LY6D, Lymphocyte antigen 6 complex locus D

 

Rabbit polyclonal antibody

メーカー:Sigma (Cat. No. HPA024755)

希釈倍率:1:100

抗原賦活化:CC1 (Ventana)

推奨陽性コントロール:扁平上皮

染色パターン:細胞膜

(上記は神戸大病理部での条件(Ventana Benchmark XT)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)

 

LY6Dは扁平上皮細胞に発現した、15-22kDaのグリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)投錨膜蛋白である。棘細胞のデスモゾームによる細胞間接着に関係するが、詳細な機能は明らかになっていない。加療後の頭頸部扁平上皮癌の微小残存に対する抗体療法の標的物質とされた。

E4子宮膣部E48皮膚

左下は子宮膣部、右下は皮膚。

 

用途:扁平上皮癌マーカーとして、特に頭頸部領域で注目されている。

悪性腫瘍

症例数

陽性数

扁平上皮癌

  頭頸部

58

58

  肺

15

14

  子宮頸部

2

2

  皮膚

1

1

非扁平上皮癌

  尿路上皮癌

3

3

  肺

    大細胞癌

3

2

    小細胞癌

4

0

    腺癌

17

2

  子宮頸部腺癌

0

2

  乳腺腺癌

7

1

  結腸腺癌

9

0

  卵巣

    漿液性腺癌

5

0

    粘液性腺癌

3

0

  肉腫

4

0

  悪性黒色腫

2

0

  非ホジキンリンパ腫

1

0

出典:Quak JJ, Balm AJM, et al. A 22-kd surface antigen detected by monoclonal antibody E48 is exclusively expressed in stratified squamous and transitional epithelia. Am J Pathol 1990; 136: 191-7.

 

しかし、非小細胞肺癌152例を用いた我々の検討では、

陽性

陰性

扁平上皮癌

7

35

42

非扁平上皮癌

3

107

110

10

142

152

(P<0.01) 肺扁平上皮癌に対し、単純には、感度17%、特異度97%、陽性適中度70%、陰性適中度75%。肺扁平上皮癌の診断にこの市販抗体では有用性は低いかもしれない。

 

E48SQE48AD

(自験例。左は肺扁平上皮癌、右は肺腺癌。)

 

 

執筆日:2012/11/20

執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕

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