免疫組織データベース~いむーの



CK13

2012年11月26日

(Cytokeratin 13)

 

Mouse monoclonal antibody

クローン:KS-1A3

メーカー:Novocastra

希釈倍率:1:200

抗原賦活化:熱処理、pH9.0 EDTA 10分

推奨陽性コントロール:非角化型扁平上皮

染色パターン:細胞質

(上記は神戸大病理部での条件(Leica Bond-Max)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)

 

CK13は51kDaのI型(酸性)ケラチンで、CK4 2本と塩基性のII型ケラチンのCK5 2本で4量体を形成している。内蔵の非角化扁平上皮細胞に発現している。

 

用途:CK13は正常な口腔粘膜は陽性であるが、上皮内腫瘍では陰性になり、CK17はその逆の所見を呈するとされる。口腔癌取扱い規約第1版では、口腔上皮内腫瘍と口腔上皮性異形成、反応性異型病変との鑑別に有用として紹介されている。

正常上皮上皮内腫瘍

(左:正常口腔粘膜、右:中心部は上皮内癌)

(注)実際CK13染色をしてみると、上皮内腫瘍であっても完全に発現が「消失」していることは少なく、あくまで「減弱」である。

 

表 白板症108例の臨床病理学的事項CK17・CK13発現の関連

事項

カテゴリー

症例数

白板症におけるCK17の発現

白板症におけるCK13の発現

+

++

+++

有意差

+

++

+++

有意差

性別

68

37

4

17

10

30

18

6

14

40

16

3

20

1

15

9

7

9

年齢

65歳未満

51

24

5

18

4

24

10

7

10

65歳以上

57

29

2

19

7

21

17

6

13

異形成の程度

非異形成

74

38

7

26

3

22

19

10

23

軽度

20

9

0

7

4

14

6

0

0

中等度

8

2

0

3

3

4

2

2

0

高度

6

4

0

1

1

P <0.01

5

0

1

0

P  <0.01

病変局在

歯肉

45

28

3

14

0

19

10

6

10

44

20

2

12

10

17

12

5

10

口蓋

10

1

1

8

0

3

3

2

2

頬粘膜

7

4

0

2

1

4

2

0

1

口唇

1

0

0

1

0

1

0

0

0

口腔底

1

0

1

0

0

1

0

0

0

出典:Kitamura R, et al. Association of cytokeratin 17 expression with differentiation in oral squamous cell carcinoma. J Cancer Res Clin Oncol 2012;138:1299-310.

 

 

執筆日:2012/11/26

執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕、柳田絵美衣、今川奈央子

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