Napsin A
メーカー: NICHIREI
希釈倍率: 希釈済み
抗原賦活化: CC1 (Ventana)
染色パターン: 細胞質(顆粒状)
推奨陽性コントロール: 肺腺癌・腎皮質組織
（上記は市立島田市民病院での条件。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。）
Napsin AはペプチダーゼA1ファミリーに属するペプシン様アスパラギン酸プロテアーゼで、肺サーファクタントBの成熟に関与している。肺では、II型肺胞上皮および肺胞腔内マクロファージに発現する。腎臓においては近位尿細管に発現する。
1. 肺
肺原発腺癌の80～90%で陽性となり、TTF-1よりも感度が高い。肺原発扁平上皮癌、小細胞癌、および胸膜中皮腫では陰性。Whithausら*1は、Napsin Aとp63の組み合わせにより感度94%、特異度96%で肺腺癌と肺扁平上皮癌を鑑別できると報告している。また、乳腺、大腸、胃、膵臓、肝臓、卵巣、子宮内膜の腺癌329例において、Napsin Aはいずれも陰性であったと報告されており、他のマーカーと組み合わせることで原発不明腺癌の原発巣検索にも有用である。
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Napsin A (% positive) |
TTF-1 (% positive) |
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Adenocarcinoma |
79/95 (83%) |
69/95 (73%) |
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Well differentiated |
42/47 (89%) |
38/47 (81%) |
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Moderately differentiated |
27/32 (84%) |
24/32 (75%) |
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Poorly differentiated |
11/16 (69%) |
7/16 (44%) |
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Squamous cell carcinoma |
0/46 (0%) |
0/48 (0%) |
|
Large cell carcinoma |
3/9 (33%) |
4/9 (44%) |
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“Non-small cell carcinoma,” not otherwise specified |
5/12 (41.7%) |
3/12 (25%) |
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Other form of poorly differentiated carcinoma (eg, pleomorphic and basaloid) |
0/3 (0%) |
0/3 (0%) |
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Small cell carcinoma |
0/3 (0%) |
1/3 (33%) |
|
Atypical carcinoid tumor |
0/1 (0%) |
1/1 (100%) |
|
Typical carcinoid tumor |
0/2 (0%) |
1/2 (50%) |
文献2より引用
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Napsin A+ |
Napsin A- |
|||
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Tissue |
p63-, No. (%) |
p63+, No. (%) |
p63+, No. (%) |
p63-, No. (%) |
|
Adenocarcinoma (n = 197) |
143 (72.6) |
21 (10.7) |
7 (3.6) False+ |
26 (13.2) False- (6 TTF-1+) |
|
Sqamous cell carcinoma (n = 66) |
0 |
1 (1.5) |
62 (93.9) |
3 (4.5) (0 CK5/6+) |
|
Accuracy of different profiles |
100 |
96 |
90 |
90 |
文献1より引用
2. 腎臓
乳頭状腎細胞癌の70~80%に陽性となる。淡明細胞型腎細胞癌では陽性率は10~40%程度であり、他の組織型では陰性である。
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% positive |
|
|
Renal cell carcinoma (not otherwise specified) |
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Hirano et al |
0/4 (0%) |
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Ueno et al |
1/1 (100%) |
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Clear cell renal cell carcinoma |
|
|
Argani et al |
3/7 (43%) |
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Bishop et al |
14/41 (34%) |
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Stoll et al |
1/10 (10%) |
|
Ye et al |
3/18 (17%) |
|
Papillary renal cell carcinoma |
|
|
Argani et al |
5/6 (83%) |
|
Bishop et al |
34/43 (79%) |
|
Stoll et al |
3/4 (75%) |
|
Ye et al |
12/15 (80%) |
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Chromophobe renal cell carcinoma |
|
|
Bishop et al |
1/34 (3%) |
|
Ye et al |
0/4 (0%) |
|
Xp11 translocation renal cell carcinoma |
|
|
Argani et al |
0/21 (0%) |
|
Oncocytoma |
|
|
Ye et al |
0/4 (0%) |
文献3より引用
参考文献:
執筆日：2012/11/27
執筆者：市立島田市民病院 寺本 祐記、橘 充弘
運営：いむーのワーキンググループ 代表 伊藤 智雄 (神戸大学病院病理部）
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