免疫組織データベース~いむーの



Myoglobin

2013年1月11日

Mouse monoclonal antibody

クローン:MYO18

メーカー:Novocastra (NCL-MYOGLOBIN)

希釈倍率:1:100

抗原賦活化:ER2、20分

推奨陽性コントロール:横紋筋

染色パターン:細胞質

(上記は神戸大病理部での条件(Leica BOND-MAXTM)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)

 

ミオグロビンは、主に心筋や骨格筋の細胞質に存在する分子量17,200の球状のヘム蛋白である。赤血球中のヘモグロビンにより運ばれてきた酸素を筋組織で受けとり、これを筋組織中で運搬・貯蔵し、エネルギー産生系に供給する。ヘモグロビンと同様に酸素と可逆的に結合するが、ヘモグロビンよりも酸素親和性が高く効率よく血中の酸素を筋肉組織内に運搬する。2価のヘム鉄が酸化され、3価となると酸素結合能を失う。ヘモグロビンが四量体であるのに対してミオグロビンは単量体で、1本のポリペプチド鎖(153個のアミノ酸残基)と1分子のヘムからなる。8個のαヘリックスをもち、それらがヘムをとり囲んでいる。一般に動物の筋肉が赤いのは、ミオグロビンに由来する。

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(Myoglobin染色。左:横紋筋、右:心筋。「紋」が見える。)

 

用途:病理診断上、横紋筋肉腫および横紋筋への分化を示す腫瘍に対する横紋筋分化マーカーとして利用されるが、染色結果の解釈が難しいことが多い。

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(自験例(多形型横紋筋肉腫)。左:H&E染色、右:Myoglobin染色)

 

 

執筆日:2013/01/11

執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕、柳田絵美衣、今川奈央子

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