免疫組織データベース~いむーの



Gastrin

2012年12月6日

Rabbit polyclonal antibody

メーカー:DAKO (A0568)

希釈倍率:1:1000

抗原賦活化:処理なし

推奨陽性コントロール:胃幽門部

染色パターン:細胞質

(上記は神戸大病理部での条件(Leica BondMax)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)

 

ガストリンは、主に胃幽門部、十二指腸粘膜にも存在するG細胞から分泌される分子量2096の直鎖ペプチドで、17個のアミノ酸から成るホルモンである。幽門部粘膜からは、リトルガストリン(G-17)と生理活性を有しないN端部分ペプチドが分泌され、十二指腸粘膜からは、主にビッグガストリン(G-34)が分泌される。G細胞は管腔に直接絨毛を出す開放型(open type)であり、そのため胃内腔のpH、アルコール、アミノ酸などの化学的刺激、あるいは胃壁の伸展・圧迫といった機械的刺激、あるいは迷走神経刺激を受けて分泌される。胃主細胞からのペプシノゲン分泌促進作用、胃壁細胞からの胃酸分泌促進作用、胃壁細胞増殖作用、インスリン分泌促進作用などが認められている。ガストリン分泌はセクレチンによって抑制される。

Gastrin

(自験例(胃幽門部))

 

用途: 神経内分泌腫瘍、メルケル細胞癌、膵島腫瘍、膵粘液性嚢胞病変、末梢性神経鞘腫瘍、肺硬化性血管腫などで陽性となる。

 

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(自験例(ガストリン産生神経内分泌腫瘍G1(臨床的に血清ガストリン高値))。左:H&E染色、右:ガストリン染色)

 

(注)ガストリン染色をすることにより、細胞内に一定量のガストリンが含まれていることを確認できる、すなわち、ガストリン染色は定性検査であるが、血清ガストリン濃度や臨床症状を表すものではない(定量検査ではない)。

 

 

執筆日:2012/12/6

執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕、柳田絵美衣、今川奈央子

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