免疫組織データベース~いむーの



GH

2012年12月4日

(成長ホルモン、Growth Hormone)

 

Rabbit polyclonal antibody

メーカー:DAKO (A0570)

希釈倍率:1:1000

抗原賦活化:処理なし

推奨陽性コントロール:下垂体

染色パターン:細胞質

(上記は神戸大病理部での条件(Leica BondMax)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)

 

成長ホルモンは主に脳下垂体前葉のGH分泌細胞から分泌されるホルモンで、191個のアミノ酸からなり、分子量は22kDaである。プロラクチンと遺伝子構成・アミノ酸配列が近く、一つの祖先となる遺伝子が重複し、機能が分化したと考えられている。他に、甲状腺、副腎、生殖器、膵臓、消化器、胃腸、心血管、脂肪、神経系など、体の様々な部位で作り出される。視床下部から分泌される成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)の作用を受けてGH産生細胞から分泌される。視床下部からのソマトスタチン、及び成長ホルモン自身やインスリン様成長因子-1(IGF-1)によるネガティブフィードバックで分泌が抑制される。成長ホルモンが肝臓などにはたらきかけ、IGF-1を分泌させ、標的器官(骨、筋)の細胞分裂を盛んにさせる。また、炭水化物・蛋白質・脂質の代謝促進や血糖値上昇(肝臓でのグリコーゲン分解を促進、抗インスリン作用)、体脂肪動員の促進などにかかわる。

GH

(下垂体前葉におけるGH染色)

 

用途:GH産生の確認。GH産生腫瘍など。

 

GH産生腫瘍1GH産生腫瘍2

(自験例(下垂体腺腫(臨床的にGH産生腫瘍))。左:H&E染色、右:GH染色)

 

(注)GH染色をすることにより、細胞内に一定量のGHが含まれていることを確認できる、すなわち、GH染色は定性検査であるが、血清GH濃度や臨床症状を表すものではない(定量検査ではない)。

 

 

執筆日:2012/12/4

執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕、柳田絵美衣、今川奈央子

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