免疫組織データベース~いむーの



Granzyme B

2006年1月27日

クローン: Grb-7,  monoclonal (Chemicon)

抗原賦活化法:EDTA microwave 10min 

推奨希釈濃度:800倍

推奨陽性コントロール:扁桃。(ただし陽性細胞はごく少数。Extranodal NK/T cell lymphomaの症例があればベスト)

染色パターン: 細胞質、顆粒状

(上記は久留米大での条件。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)

 

性質、機能:細胞傷害性T細胞とナチュラルキラー細胞の顆粒中に含まれるセリンプロテアーゼで,procaspase – 3 をプロセッシングし活性型 caspase – 3 にすることで,標的細胞にアポトーシスを引き起こす

 

染色性および用途:

正常では活性化した細胞障害性T細胞(主にCD8、CD4も一部)およびNK細胞に陽性。

 

TIA-1と同様、

①  節外性NK/T細胞性リンパ腫(Extranodal NK/T cell lymphoma)(John KC Chan et al Tumors of Heamatopoietic and lymphoid neoplasms p204)

②  皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫(Subcutaneous panniculitis-like T cell lymphoma)(E.S.Jaffe Tumors of Heamatopoietic and lymphoid neoplasms p212)

③  未分化大細胞型リンパ腫(Anaplastic large cell lymphoma)の殆どに陽性(G.Delsol Tumors of Heamatopoietic and lymphoid neoplasms p230)

 

肝脾T細胞リンパ腫(Hepatosplenic T-cell lymphoma)においては陰性(Belhadj K et al Blood 2003 Dec 102(13):p4261)で、TIA1陽性、Granzyme B陰性の表面形質は活性化していない状態を示唆している。

 

その他末梢性T細胞性リンパ腫、非特異型(peripheral T cell lymphoma, unspecified)においても約40%に陽性で、予後不良に相関する(Asano N et al Am J Surg Pathol 2005 Oct 29: 1284-1293)。

 

B細胞性リンパ腫、ホジキンリンパ腫では陰性。

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執筆日:2006/1/27

執筆者:久留米大学病理学 加留部 謙之輔

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