免疫組織データベース~いむーの



Amyloid P

2012年11月29日

Rabbit polyclonal antibody

メーカー:DAKO

希釈倍率:1:200

抗原賦活化:処理なし

推奨陽性コントロール:アミロイドーシス症例

(上記は神戸大病理部での条件(用手法)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)

 

アミロイドーシスとは、アミロイド線維蛋白を主成分とするアミロイドが組織、臓器に沈着し、機能障害を起こす疾患の総称である。アミロイドは生理的条件下では非常に難溶性である。ヘマトキシリン・エオジン染色では均質な無構造の好酸性物質として観察され、コンゴ赤染色やDFS染色で橙~赤橙色に染色される。偏光顕微鏡下では緑色複屈折性を示す。透過型電顕下では、幅8~12nm、長さ50~1000nmの枝分かれのない、一対のねじれた細線維の集積として見られる。ヒトでは20種類以上のアミロイド線維蛋白が同定されているが、アミロイドP蛋白は共通に見出され、10~15%を占める。前駆物質である、SAP (Serum Amyloid P Component)は、カルシウム依存性リガンド結合蛋白質やレクチンに高く保存されたスーパーファミリーに属し、五量体構造のため、ペントラキシンとも呼ばれる25kDaの蛋白質である。

用途:アミロイドP蛋白の同定。 コンゴ赤染色やDFS染色、及び偏光顕微鏡下に緑色複屈折性を確認することで、先ずは沈着物がアミロイドであることを確認する。 アミロイドP蛋白はアミロイドーシスの全型に存在するので、アミロイドP染色はアミロイド沈着の確認にはなるものの、コンゴ赤染色やDFS染色、偏光顕微鏡でアミロイド沈着が確認されているなら、必要性は低いかもしれない。アミロイドA染色の他、κ染色やλ染色、トランスサイレチン染色、β2ミクログロブリン染色などが、より重要と思われる。

 

HEDFS

Amyloid P

(左上:HE染色、右上:DFS染色、左下:Amyloid P染色)

 

 

執筆日:2012/11/29

執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕、柳田絵美衣、今川奈央子

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