免疫組織データベース~いむーの



CK 5/6

2006年3月14日

(Cytokeratin 5/6)

 

クローン: D5/16B4

メーカー:DAKO

抗原賦活化法:圧力鍋

(上記は旭川医科大での条件。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)

推奨陽性コントロール: 扁平上皮

染色パターン: 細胞質

***ここまで北大病理部記入***

 

以下、旭川医科大学病院病理部三代川 斉之先生

サイトケラチン5は重層上皮、移行上皮、混合腺、中皮細胞に発現する分子量58kDの塩基性サイトケラチンで、サイトケラチン6は増殖期の扁平上皮細胞に発現する分子量56kDの塩基性サイトケラチン。  抗サイトケラチン5/6抗体は、腺癌細胞は陰性であることから、低分化型扁平上皮癌と腺癌、上皮型中皮腫と肺腺癌の鑑別に有用である。

 

以下、札幌皮膚病理研究所 福本隆也 木村鉄宣 先生

皮膚領域でのCK5/6の有用性 

正常皮膚では、CK5は、基底層の角化細胞に発現している。CK6は、増殖時の基底層上層の角化細胞で発現している。

皮膚のSpindle cell squamous cell carcinoma (紡錘細胞形有棘細胞癌)は、未分化な腫瘍細胞が多いためAE1/AE3などのpan-cytokeratinが陰性のことも多く診断に苦慮することがあるが、CK5/6は多くのSpindle cell squamous cell carcinomaで陽性に染色されるという報告があり(11/16、69%1、10/10、100%2)、pan-cytokeratinが陰性の場合は検討する価値がある。

1. J Cutan Pathol. 2001 Nov;28(10):520-4. The utility of cytokeratin 5/6 in the recognition of cutaneous spindle cell squamous cell carcinoma. Sigel JE, Skacel M, Bergfeld WF, House NS, Rabkin MS, Goldblum JR.

2. J Cutan Pathol. 2003 Feb;30(2):114-7. Epithelioid sarcoma: an immunohistochemical analysis evaluating the utility of cytokeratin 5/6 in distinguishing superficial epithelioid sarcoma from spindled squamous cell carcinoma. Lin L, Skacel M, Sigel JE, Bergfeld WF, Montgomery E, Fisher C, Goldblum JR.

 

 

執筆日:2006/1/28(三代川先生) 3/14(福本・木村先生)

執筆者:旭川医科大学病院病理部三代川 斉之先生,札幌皮膚病理研究所 福本隆也 木村鉄宣先生(本文)

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