免疫組織データベース~いむーの



Cytomegalovirus

2006年3月10日

(CMV)

 

抗体名: Cytomegalovirus 抗サイトメガロウイルス(cytomegalovirus; CMV) ・マウスモノクローナル抗体

クローン: CCH2 + DDG9(カクテル)

メーカー: Dako

希釈倍率: x50(一次抗体一晩反応、アミノ酸ポリマー法(ニチレイ シンプルステインPO使用))

抗原賦活化: 圧力鍋による加熱処理(1mM EDTA pH8.0使用)

推奨陽性コントロール: CMV感染組織

陽性パターン: CMV感染細胞の核

(上記は藤田保健衛生大学医学部第一病理学での条件。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)

 

反応性、性状および用途:

・CMV感染細胞の同定。ホルマリン固定パラフィン切片で安定した陽性反応が得られる。

・本抗体は、ヒト単純ヘルペスウイルス(HSV)感染細胞や、水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)感染細胞には反応しない。

・CMV感染細胞は、フクロウの目(Owl’s eye)とよばれる特徴的な核内封入体を示す。ときに細胞質封入体も観察される(ヒトヘルペスウイルス属(HHV)で、細胞内封入体を形成しうるのはCMVのみである)。

・封入体は、各種臓器の上皮細胞、血管内皮細胞などに観察される。

・感染細胞が多く、HE標本で明瞭な核内封入体が多数みられる場合は、免疫組織化学は必須ではない。免疫組織化学が有用なのは、感染細胞が少なく、HE標本では封入体がはっきりしない場合である。

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SLE症例(ステロイド治療中)の胃潰瘍底にみられたCMV感染病巣。再生上皮細胞あるいは血管内皮細胞に、明瞭な核内封入体がみられる。

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核内封入体に一致した陽性所見がみられる。

 

 

執筆日: 2006/3/10

執筆者: 藤田保健衛生大学医学部第一病理学 下村龍一

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