EBER-ISH
(免疫染色ではありませんが)
PNA(peptide nucleic acid)という、核酸(DNA/RNA)に替わる物質として開発された化学合成核酸アナログ。これを用いてin situ hybridizationを行う。一般の抗体とは性質が異なる。(Dako Cytomation) 抗原賦活化法:ProK(PNA用:ProKをTBSで400倍に希釈したもの) 推奨希釈濃度:キットで、すでに調整済 推奨陽性コントロール:EBウイルス陽性のHodgkinリンパ腫
(上記は久留米大での条件。キットは必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)
染色パターン: 核
性質、機能:EBウイルスによって産生されるRNA。蛋白はコードせず、機能があるのかどうかはよくわかっていない。
染色性および用途 EBウイルスに感染した細胞のほぼ全てに陽性。EBウイルスを検出する抗体としては他にLMP1とEBNA2があるが、EBER-ISHが最も感度がよい。
悪性リンパ腫: Hodgkinリンパ腫(約40%) extranodal NK/T cell lymphoma(ほぼ100%) pythorax associated NK/T cell lymphoma(100%) Diffuse large B cell lymphoma(高齢者の一部) Burkitt lymphoma(10%),免疫不全に伴うBリンパ腫 Aggressive NK cell leukemia
胃癌:低分化で、リンパ球浸潤に富むものに陽性の場合がある。
上咽頭癌:低分化扁平上皮癌の組織像の場合に陽性のことがある。
ホジキン病での施行例
執筆日:2006/1/30
執筆者:久留米大学病理学 加留部 謙之輔