Toxoplasma gondii

抗体名: Toxoplasma gondii トキソプラズマ・ゴンディ・ウサギポリクローナル抗体

クローン: n/a（ポリクローナル）

メーカー: Spring Bioscience

希釈倍率: x100（一次抗体一晩反応、アミノ酸ポリマー法（ニチレイ　シンプルステインPO使用））

抗原賦活化: 圧力鍋による加熱処理（10mM クエン酸緩衝液 pH6.0使用）

推奨陽性コントロール: トキソプラズマ感染病巣

陽性パターン: 嚢子(cyst)およびタキゾイト(tachyzoite, 急増虫体)、およびその分解産物

(上記は藤田保健衛生大学医学部第一病理学での条件。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)

反応性、性状および用途:

・トキソプラズマ・ゴンディの同定。ホルマリン固定パラフィン切片で安定した陽性反応が得られる。

・肉胞子虫(Sarcocystis spp.)や、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium spp.)、戦争イソスポーラ(Isospora belli)など、近縁の寄生原虫に交差反応を示すかどうかは確認できていない。

・トキソプラズマ脳炎例では、嚢子とその内部に増殖する緩増虫体(bradyzoite)に陽性所見がみられる。組織球に貪食された虫体、あるいはその分解物にも陽性となる。

（顕微鏡写真）

1. AIDS患者のトキソプラズマ脳炎（剖検例）。グリオーシスを主体とした変化がみられる（HE標本）。

2. 嚢子の拡大像。緩増虫体が確認できる（HE標本）。

3. 嚢子に一致した陽性像。組織球の胞体にも陽性所見がみられる。

執筆日: 2006/3/10

執筆者: 藤田保健衛生大学医学部第一病理学　下村龍一