免疫組織データベース~いむーの



PAX5

2006年3月27日

(paired box gene 5, BSAP)

 

クローン: 24  

メーカー: Transduction Laboratories

希釈倍率:x40

抗原賦活化法:Pressure Cooker

(上記は一例に過ぎません。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけでは ありませんので、必ずしも”推奨メーカー”という意味ではありません。)

推奨陽性コントロール:扁桃、リンパ節、虫垂など

染色パターン:

 

近年登場してきた汎Bマーカー。B細胞系への分化の開始に必須なtrasncription factorである。 形質細胞には陽性とならない。(同じく近年登場してきたB細胞マーカーとしてのtranscription factorsであるOct-2, Bob.1は形質細胞にも陽性である。従ってこれらの組み合わせでは形質細胞(腫)はOct-2 +, Bob.1 +, PAX5 -となる)。 lymphoblastic lymphomaのlineageの決定に有効。 Reed-Sternberg細胞にも陽性。これを利用し、PAX5陰性であるanaplastic large cell lymphomaとの鑑別に用いることもできる。

lymphoma以外の腫瘍にも陽性とされ、また、これらにリンパ腫と類似した形態を示すものが含まれていることに注意が必要。

例) small cell lymphoma, merkel cell carcinoma(Dong HY, Liu W, Cohen P, Mahle CE, Zhang W)

neuroblastoma(Baumann Kubetzko FB, Di Paolo C, Maag C, Meier R, Schafer BW, Betts DR, Stahel RA, Himmelmann A.)

transitional carcinoma(Babjuk M, Soukup V, Mares J, Duskova J, Sedlacek Z, Trkova M, Pecen L, Dvoracek J, Hanus T, Kocvara R, Novak J, Povysil C)

alveolar rhabdomyosaroma (Sullivan, Lisa M. MD; Atkins, Kristen A. MD; LeGallo, Robin D. MD) (2009.6.2情報追加)

image

plasmacytomaでの染色例。左ははOct-2で、 PAX5とは異なり、形質細胞では陽性となる。本例はκ、λが両者陰性の症例で、この結果が確定診断に有用であった。

 

 

執筆日:2005/05/23 06/03/27追記

執筆者:神戸大学病院病理部病理診断科 伊藤 智雄  tomitoh@med.kobe-u.ac.jp

ページの先頭へ