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LH

2012年12月4日

(黄体化ホルモン、Luteinizing Hormone)

 

Mouse monoclonal antibody

クローン:C93

メーカー:DAKO (M3502)

希釈倍率:1:50

抗原賦活化:処理なし

推奨陽性コントロール:下垂体

染色パターン:細胞質

(上記は神戸大病理部での条件(Leica BondMax)。抗体は必ずしも全てのメーカーを比較して選択しているわけではありませんので、必ずしも“推奨メーカー”という意味ではありません。)

 

LHは下垂体前葉の性腺刺激ホルモン産生細胞で合成・分泌される糖蛋白質で、卵胞刺激ホルモン(FSH)と共にゴナドトロピンと呼ばれる。二量体の蛋白質サブユニットのそれぞれが糖へ結合している。蛋白質二量体にはα及びβサブユニットと呼ばれる2つのポリペプチドユニットが含まれ、LH、FSH、TSH、hCGのαサブユニットは同一で92のアミノ酸から成る。βサブユニットは異なっており、LHでは121のアミノ酸からなり、特異な生物学的作用を与えて、LH受容体との相互作用の源となっている。精巣のライディッヒ細胞はLHに反応してテストステロンを産生、一方、卵巣の顆粒膜細胞ではLHに反応してエストロゲンやプロゲステロンが産生される。月経周期の途中のLHサージが排卵の開始を誘起する。また排卵後の卵胞がプロゲステロンを分泌する黄体になることも誘引する。ゴナドトロピンは視床下部から分泌されているゴナドトロピン放出ホルモン(Gonadotropin Releasing Hormone、GnRH)、卵巣・精巣からの性ステロイドホルモンとともに間脳-下垂体-性腺システム(フィードバック機構)を形成している。

LH

(下垂体前葉におけるLH染色)

 

用途:LH産生の確認。LH産生腫瘍など。

 

(注)LH染色をすることにより、細胞内に一定量のLHが含まれていることを確認できる、すなわち、LH染色は定性検査であるが、血清LH濃度や臨床症状を表すものではない(定量検査ではない)。

 

 

執筆日:2012/12/4

執筆者:神戸大学医学部附属病院病理診断科 酒井康裕、柳田絵美衣、今川奈央子

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